予防歯科
予防歯科とは
痛くなってから、歯がぐらぐらしてきたからクリニックに行く。ではなく、そうなる前にそうならないようにする。それが予防歯科の考え方です。患者様自身でやって頂く毎日のセルフケアと専門家が行うプロフェッショナルケアで再発の防止と健康の維持増進を目指します。
歯の汚れの種類
歯垢(プラーク)
約80%が水分で残り20%が有機質(そのうち70%が細菌)でできています。1㎎あたり1億個(約600種)の細菌が存在しているといわれています。
歯の表面にはペリクルという唾液由来の膜ができます。この膜には細菌は存在せず、歯の保護をする効果もあり、唾液によるコーティングというとわかりやすいかもしれません。その後8時間経過するとペリクルの表面にミュータンス菌などの細菌が付着します。これが歯垢といわれるものです。
バイオフィルム
プラークが作り出す粘着性の強いフィルム状の物質です。プラークを守るフィルム状のものというとわかりやすいかもしれません。
最近の研究で、排水溝やシンクなどの三角コーナーにできるヌメリと同じ成分であることがわかっています。薬の浸透を防ぐ為、物理的な方法で除去するしか方法はありません。
歯石
歯に付着したプラークが48時間すると唾液に含まれる、カルシウムやリン酸と反応して石灰化し、石のように固くなります。これが歯石です。
歯石の表面は凹凸していて、プラークが更に付着しやすい状態になります。石のように固くなるので、歯ブラシでは落とすことができません。専用の機材をしようして除去する必要があります。
プロフェッショナルケアとセルフケアの連携
虫歯や歯周病になる前に、良好な口腔衛生状態の維持をしていくことが『予防歯科』ということになりますが、これにはプロフェッショナルケアとセルフケアの連携が欠かせません。
プロフェッショナルケアとは?(主にクリニックでできること)
目的
歯面に固着したデンタルバイオフィルムと歯石を除去してセルフケアで対処できるステージに戻す
機械的コントロール | PMTC(Professional Mechanical Tooth Cleaning)やスケーリング(歯周ポケット内洗浄) |
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化学的コントロール | 抗菌作用のある薬液を使用した歯周ポケット内洗浄など |
セルフケア(ご自宅などご自身でできること)
目的
プロフェッショナルケア後の良好な状態を長く維持する
機械的コントロール | ブラッシング、歯間ブラシ、デンタルフロス、舌ブラシ、音波振動式電動歯ブラシ |
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化学的コントロール | 歯磨剤、液体歯磨、洗口液 |
「洗口液」について
「洗口液」についてよくある質問として、洗口液、洗口剤、マウスウォッシュ、マウスリンス、オーラルリンス、液体歯磨(液体歯磨き、液体ハミガキ)、などドラッグストアなどで、似たような単語を見かける方は多いかと思いますが、「何が違うの??」というものがあります。
ここからは、予防歯科に気軽に取り組める「洗口液」について深堀りしていきます。
洗口液とは
適量を口に含んですすいでから吐き出す
これにより口腔内の浄化と口臭予防が期待でき、薬用成分を配合した製品では口腔細菌の殺菌効果も期待できるものもあります。
*製品容器への表示に『洗口液』を使用することが規定されていて(日本歯磨工業会の第4条)一般的な名称といえます。従って、色々な用語はありますが、当院では総称して、洗口液という解釈でおります。
洗口液の目的
口全体の細菌数を減らすこと(抗菌成分配合の洗口液)
口腔内のバイオフィルムは歯の表面だけでなく、舌や咽頭、粘膜などにも存在します。口の中に占める歯の表面積の割合は全体の25%、そのほか75%は舌や咽頭の粘膜で占められています。口腔内の各部位に付着するバイオフィルムは歯の表面が一番多く、バイオフィルム1㎎あたり10億個、また口腔内の粘膜や舌の上、歯周ポケットにも約1億個の細菌が存在しています。すすぐだけの簡単な用法で、口全体の細菌数を減らすことができます。*当院では診察前に口腔内をすすいで頂いています。
液体歯磨きとは
適量を口に含みブラッシング、もしくは適量を含み吐き出した後ブラッシングする
つまり、歯ブラシにてブラッシングをしなければなりません。(歯を磨くことが前提となっているため、法律上表記できる効能が増えています。具体的には、殺菌成分の他に抗炎症成分(歯周組織健全化を期待したもの)、細胞賦活成分、血流促進成分など)
デンタルバイオフィルムに対する洗口液の役割
完成したバイオフィルム構造体の内部の細菌を殺菌するものではありません。プロフェッショナルケアによりデンタルバイオフィルムを除去した後、使用し続けることで細菌の付着を抑制する為のものとなります。従って毎日使い続けることが重要となってきます。
洗口液の使うタイミングと時間
当院での推奨は『ブラッシングして5分以上経ってから、予防効果の有効性が証明されている洗口液を1日2回30秒以上の洗口』としています。ブラッシングにより物理的にデンタルバイオフィルムを除去し、洗口液の効果を最大限に引き上げること、また、5分あける意味は、歯磨剤の成分(主に発泡剤:ラウリル硫酸ナトリウム)と反応して効果が減弱する洗口液があること、歯磨剤に含まれるフッ化物をはじめとする薬用成分が流されてしまうこと可能性がある為です。
洗口液の種類と選び方
国内で販売されている洗口液に期待される5つの効果
①フッ化物洗口液
う蝕予防と歯質強化
②殺菌成分を含む洗口液
バイオフィルムの付着抑制と歯肉炎予防効果
③保湿系洗口液
ドライマウスの対症療法
④口臭を抑制する効果がある洗口液
VSC(Volatile Sulfur Compounds:揮発性硫黄化合物)を直接的に抑制
殺菌効果により口の中の細菌数を相対的に減らし、口臭を間接的に抑制
⑤歯石沈着を抑制する効果がある
洗口液
プラークの石灰化抑制
長く使用すことが洗口液に必要な条件となってきます。
ご自身の気になっている効能があるものを選ばれることが望ましいです。
当院でおすすめする洗口液
コンクールF
殺菌成分グルコン酸クロルヘキシジン配合(0.05%)による高い殺菌力と、長時間の殺菌持続力(最大で12時間)が望めること、また、歯周病原性だけでなくう蝕原性細菌に対しても増殖抑制効果を発揮し、バイオフィルム形成を阻害する作用も確認されている為です。
誰でも簡単に『予防歯科』に取り組めます。
まずは、洗口液から始めてみてはいかがでしょうか?
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新橋しもむら歯科クリニックでは、幅広い診療が可能です。患者さまの各症状に合わせて治療法をご提案いたします。お口周りは歯のことでお悩みでしたら、新橋駅の歯医者「新橋しもむら歯科クリニック」までご相談ください。
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